内臓脂肪と皮下脂肪の違いとは?見分け方と「それぞれの落とし方」を医師が解説

「お腹の脂肪」と、私たちはつい一言でまとめてしまいます。しかし実は、お腹まわりの脂肪には内臓脂肪皮下脂肪の2種類があり、付く場所も、役割も、落ち方も、まったく性質が異なります。

健康診断で指摘されやすいのは主に内臓脂肪。一方、ダイエットを頑張っても最後まで残り、見た目を左右しやすいのは主に皮下脂肪です。

つまり、「自分のお腹の脂肪はどちらのタイプか」によって、有効な対策は変わります。この記事では、2つの脂肪の違い、指でつまむだけでできる見分け方、そしてタイプ別の落とし方を順に解説します。

内臓脂肪と皮下脂肪の違い【早見表】

まず、2つの脂肪の違いを一覧で整理します。

内臓脂肪皮下脂肪
付く場所腹腔内・内臓のまわり皮膚のすぐ下(全身、特にお腹・腰・太もも)
特徴指でつまめない指でつまめる
付きやすい傾向男性、閉経後の女性女性
エネルギーとしての性質出し入れが速い貯めやすく、引き出しにくい
落ちやすさ食事・運動に反応しやすく、先に落ちる反応が遅く、最後まで残りやすい
健康との関わり生活習慣病のリスクと関連が指摘される過剰でなければ健康リスクは比較的小さい
見た目への影響お腹全体が張り出すぽっこり・たるみ・つまめる厚み

性質の違いは、お金にたとえると分かりやすくなります。内臓脂肪は「普通預金」——出し入れが速く、食べ過ぎればすぐ増え、生活を整えれば比較的すぐ減ります。皮下脂肪は「定期預金」——体が長期保存用に蓄えるため、貯まりやすく、引き出すのに時間がかかるのです。

内臓脂肪と皮下脂肪の違いを示す腹部断面の模式図。内臓脂肪は臓器の周囲に蓄積し、皮下脂肪は皮膚のすぐ下に蓄積して落ちにくい
内臓脂肪は腹腔の内側・臓器のまわりに、皮下脂肪は皮膚のすぐ下に付きます

見分け方——お腹をつまむだけのセルフチェック

自分の脂肪タイプは、道具なしで大まかに確認できます。

おへその横を、指でつまんでみてください。

  • しっかりつまめる → つまめている厚みが皮下脂肪です。皮下脂肪型の可能性が高いといえます
  • お腹は出ているのに、あまりつまめず張っている → 皮膚の下ではなく腹腔の内側に脂肪がある状態、つまり内臓脂肪型の可能性があります
  • お腹が出ていて、かつ厚くつまめる → 両方が蓄積した混合型と考えられます
内臓脂肪と皮下脂肪の見分け方。おへその横をつまむセルフチェックで、つまめれば皮下脂肪型、張ってつまめなければ内臓脂肪型の可能性
おへその横をつまんでみる——結果別の脂肪タイプの目安と特徴の比較表

体型の傾向も補助線になります。お腹を中心に丸く張り出す「リンゴ型」は内臓脂肪型に、腰から太ももにかけてボリュームが出る「洋梨型」は皮下脂肪型に多い体型です。

正確に知るには——体組成測定という方法

セルフチェックはあくまで目安で、診断ではありません。より正確に知りたい場合は、体組成計(InBody等)による測定で、内臓脂肪レベルや体脂肪量・筋肉量を数値として把握できます。数値で現在地が分かると、対策の効果検証もしやすくなります

→ 関連記事:InBody(体組成測定)で分かること

内臓脂肪の性質と落とし方

内臓脂肪は「普通預金」——つまり、動かしやすい脂肪です。

日々の活動エネルギーとして優先的に使われやすいため、食習慣の見直しと運動に比較的よく反応します。落とし方の基本は、特別な方法ではなく、次の積み重ねです。

  • 食習慣:糖質やアルコールの摂り過ぎを見直し、総摂取カロリーを適正化する
  • 有酸素運動:ウォーキングや軽いジョギングなど、続けられる強度で習慣化する
  • 睡眠・ストレス管理:生活リズムの乱れは食欲や代謝に影響します
内臓脂肪は普通預金タイプ。出し入れが速く、食習慣・有酸素運動・睡眠とストレス管理の3つの生活習慣が最も効率のよい対策
内臓脂肪は「普通預金」タイプ——生活を整えれば比較的すぐ減ります

裏を返せば、内臓脂肪はご自身の生活習慣こそが最も効率のよい対策である脂肪です。健康を意識して運動を始めた方の努力は、まずこの内臓脂肪に効いています。

なお、食事・運動だけでは減量が進みにくい場合に、医師の診察のもとで薬物療法などを組み合わせる医療痩身という選択肢もあります。当院では診察のうえ、お一人おひとりに合わせた治療をご提案しています。

→ 関連記事:肥満のメカニズム——そもそもなぜ太るのか

皮下脂肪の性質と落とし方

皮下脂肪は「定期預金」——簡単には引き出せない脂肪です。

体はエネルギーの長期貯蔵と保温のために皮下脂肪を蓄えており、いざ減量を始めても、使われる順番は内臓脂肪より後になりがちです。そのため、体重は落ちたのにお腹や腰まわり、二の腕の厚みだけが残る、という現象が起こります。

落とし方の土台は、内臓脂肪と同じ生活改善です。ただし知っておきたいのは、**「狙った部位の皮下脂肪だけを運動で落とすこと(部分痩せ)は難しい」**という点です。腹筋運動をしてもお腹の脂肪が優先的に使われるわけではなく、脂肪は全身から少しずつ減っていきます。

皮下脂肪は定期預金タイプ。長期保存用に蓄えられ、ダイエットをしても最後まで残りやすい。部分痩せの難しさと男性の隠れ腹筋問題
皮下脂肪は「定期預金」タイプ——意志の力や努力だけではコントロールが難しい領域です

男性の「腹回りの皮下脂肪」について

トレーニングをしている男性から、「筋トレで腹筋は育っているはずなのに、その上の脂肪が落ちない」というご相談をよくいただきます。これは努力不足ではありません。筋肉を育てることと、その上に乗った皮下脂肪を減らすことは、体の中では別の問題だからです。皮下脂肪は全身の減量が進んだ最後に減る傾向があり、腹回りは特に残りやすい部位です。

どうしても残る皮下脂肪への、医療の選択肢

生活改善を続けても部分的に残る皮下脂肪に対しては、医療の選択肢があります。当院では、脂肪細胞を冷却して数そのものにアプローチする脂肪冷却(クールスカルプティング)を行っています。医薬品医療機器等法に基づき承認された医療機器を用いた、メスや注射を使わない部分痩せの治療です。

落ちにくい皮下脂肪への医療痩身という選択肢。メスや注射を使わず、脂肪細胞を冷却して数そのものにアプローチする部分痩せ治療のイメージ図
※脂肪冷却は皮下脂肪を対象とした治療であり、体重減少や内臓脂肪の減少を目的とする治療ではありません

→ 詳しくは:脂肪冷却とは

「役割分担」という考え方

ここまでを整理すると、こうなります。

  • 内臓脂肪 → 食事・運動というご自身の生活習慣が最も効率的
  • 皮下脂肪 → 生活改善を土台にしつつ、部分的に残るものには医療という選択肢

大切なのは、これが「運動をやめて医療に切り替える」という話ではないことです。内臓脂肪はご自身の習慣で、落ちにくい皮下脂肪には必要に応じて医療で——役割を分けて同時に進めるのが、最も合理的なアプローチです。

セルフケアと医療痩身の役割分担。内臓脂肪は食事・運動などの生活習慣で、最後に残る皮下脂肪の部分的な厚みには医療を活用する
「役割を分けて同時に進める」のが最も合理的なアプローチです

監修医コメント(一倉医師) 「トレーニングと食事管理で、体は確かに変わります。ただ、皮下脂肪は努力に最後まで応じにくい脂肪です。すべてを意志の力だけで解決しようとせず、脂肪のタイプに合わせて手段を分けることが、結果的にいちばんの近道だと考えています。」

監修医・TODOKU CLINIC院長 一倉慎矢。佐賀大学医学部卒、ベストボディ・ジャパン2026 茨城・水戸大会 ベストボディ部門 フレッシャーズクラス4位入賞。自らトレーニングと食事管理を実践する医師
TODOKU CLINIC 院長 一倉 慎矢(ベストボディ・ジャパン2026 茨城・水戸大会 ベストボディ部門 フレッシャーズクラス 4位入賞)

なお、減量が進んだ後に「皮膚のたるみ」が気になる場合には、たるみの引き締めを目的とした治療(リヴァイブ)もご相談いただけます。

※リヴァイブは国内未承認の医療機器を用いた自由診療です。治療内容・リスク等の詳細は施術ページをご確認ください。→リヴァイブ施術とは?

よくある質問

Q. 指でつまめる脂肪は、内臓脂肪と皮下脂肪のどちらですか?

A. 皮下脂肪です。内臓脂肪は腹筋の壁より内側にあるため、外からつまむことはできません。

Q. 内臓脂肪と皮下脂肪は、どちらが先に落ちますか?

A. 一般に内臓脂肪が先に落ち、皮下脂肪は後から落ちる傾向があります。ダイエットの序盤で健診数値が改善しても見た目の変化が遅いのは、この順番が一因です。

Q. 女性に皮下脂肪が付きやすいのはなぜですか?

A. 女性ホルモンの働きや、体を守り妊娠・出産に備えるという生理的な役割から、女性は皮下脂肪を蓄えやすい傾向があります。ホルモンと体重の関係は、こちらの記事でも解説しています。

関連記事「生理周期と体重の関係」

Q. お腹の皮下脂肪が硬い気がするのはなぜですか?

A. 皮下脂肪の厚みや締まり方には個人差があり、姿勢や筋肉の張りの影響も受けます。気になる場合は、体組成測定で脂肪量そのものを確認するのが確実です。

まとめ

  • お腹の脂肪には内臓脂肪(つまめない・先に落ちる)と皮下脂肪(つまめる・最後まで残る)の2種類がある
  • おへそ横をつまむだけで、自分のタイプの目安が分かる
  • 内臓脂肪は生活習慣が最も効率的な対策。皮下脂肪は生活改善を土台に、残る部分には医療の選択肢もある
  • 大切なのは、努力と医療の役割分担という考え方
まずは自分の脂肪タイプを正確に知ることから。個別カウンセリングと体組成測定(InBody)のご案内(TODOKU CLINIC)
カウンセリングでは体組成測定で脂肪量を数値化し、最適な「役割分担」をご提案します

カウンセリングでは体組成測定で脂肪量を数値化し、最適な「役割分担」をご提案します